ー あの日、予定より大切なものに気づいた君へ
10歳のGENEへ。
夏休み3日目。
本当は今日は、放課後デイのプールと、夜のスイミングで「ダブルプール」だったね。
昨日はRANDYと2人でプールバッグとサンダルを買いに行って、
小さくなったラッシュガードも新しくして、「気に入ってくれるかな」なんて思いながら準備してた。
でも、朝、君のおでこに手を当てた瞬間、すべてが変わったんだよね。
38.9度の数字に、気持ちが追いつくまでの時間
朝、目を覚ました君は、もう一度ベッドに戻っていったね。
「ちょっと夜更かししたかな?」と思いながらそっと様子を見に行ったら、
そこには、いつもより少し静かな君が横になっていて──。
おでこに触れた瞬間、「あっつ…」って思ったけど、
「いやいや、布団に入ってたしね」って、自分に言い聞かせてた。
体温計は38.9度。
もう一回、別の体温計でも測るけど、やっぱり同じ。
そのとき、すぐに「お休みの電話をしよう」と思えばよかったのに、
なぜか少し悩んでしまった。
「いや、プール行く予定だったし…」「今日はお弁当も作ったし…」
──そんなことが、ふと頭をよぎってしまったんだ。
予定が狂う…。そんなことばかり考えてごめん。
でも、それが本音だったりもする。
君の熱よりも、予定が気になる私に気づいてしまった朝
電話して、予定をキャンセルして、パートもお休みして。
ようやく全部終えて、やっと「君が熱を出している」ってことにちゃんと向き合えた気がする。
心配はしてるんだよ、本当に。
でもその前に、**「あぁ…今日の予定、どうしよう…」**って思ってしまう自分もいて。
たぶん、そんなふうに思ってるの、私だけじゃないと思いたい。
それでもやっぱり、明日は元気に…と願ってる
君は、ぐったりというより、静かにエネルギーを温存してる感じだったね。
奇声も、ジャンプも、今日はおやすみ。
そのかわり、よく眠ってくれていた。
“宝物”だなんて、毎日思えるわけじゃない。
だけど、君が静かに寝てる横で、
私は「明日には熱が下がって、プールに行けますように…」って、
必死に祈っていた。
きっとそれも、母としての「今」のリアルなんだと思う。
ありがとう
GENE、今日も一緒に過ごしてくれてありがとう。
あなたが熱を出す日にも、私はちゃんと“母”になれているか、少し不安になるけれど。
それでも、明日また笑顔で起きてくれると信じて、今日を終えようと思います。
ありがとう。今日も、GENE。