10歳のGENEへ。
「夏期講習」という言葉を、君に使える日が来るなんて思ってなかったよ。
ランドセルも、お受験も、遠い世界の言葉だと思っていたのに。
今日、そのひとつを一緒に経験したね。
『夏期講習』という言葉を使える日が来た
「GENEの夏期講習、申し込んだよ。」
旦那さんにそう言ったとき、ちょっと笑ってしまった。
だって、そんな言葉、自分の口から出るなんて思っていなかったから。
ランドセル、お受験、そして…夏期講習。
どれも、ずっと関係ないと思っていた世界の言葉たち。
でも今、GENEは特別支援学校で5年生になり、少しずつ未来に向けた準備が始まっている。
今日はその第一歩だった。
初めての作業学習、GENEのチャレンジ
夏休みの体験授業として、
作業学習を一日だけ体験できる「夏期講習」。
先生と生徒の比率は1対2。
しかも担当してくれるのは、GENEが大好きな年配の先生。
授業参観のときは調子に乗って棚にのぼるGENEも、今日はすごく落ち着いていた。
小さなクラスで、GENEは優等生だった。
今日のメニュー
- 木をみがく(10分)
かんなで力強く削っていく作業。
でも、終わりが見えないのが苦手なGENE。
何度か手を止めては、近くのトランポリンへ。
それでも注意されると、すぐ作業に戻る。 - 紙を5枚セットにする(10分)
これには集中!
ゴールがわかるから、GENEの得意分野。
黙々と、セットしては並べてを繰り返した。 - ボールペンを組み立てる(10分)
最初は手間取ったけど、
数本作ったらコツをつかんだみたい。
制限時間前に終わって、静かに座って待っていたGENEに
ちょっと感動。
作業の先に見えた未来
先生の話では、高等部を卒業するとB型作業所で4時間、就業すると8時間。
今のGENEには長い時間だけど、今日の30分の集中は、その未来につながる第一歩。
今まで生活介護しか頭になかったけど、
「B型+生活介護」という組み合わせもあるらしい。
未来の選択肢がひとつ増えた気がした。
母としての気づき
「24時間のうちの4時間」を、作業にあてられる日が来るかもしれない。
体力と集中力をつけることが、これからの課題。
でも、今日の経験で、私は希望を見た。
夏期講習、行ってよかった。
同じように悩んでいるお母さんへ
「未来が見えない」って、何度も思った。
でも、想像していなかったことが、ふと現実になる日がくる。
その一歩が、今日のGENEの夏期講習だった。
ありがとう
GENE、今日も一緒に過ごしてくれてありがとう。
君が未来に向かってひとつずつ扉を開いていくたびに、私の心にも光が差し込む。
ありがとう。今日も、GENE。