自閉症のGENEは赤ちゃんの頃から絵本が大好きだった。
──というよりも、私が絵本を読むことが大好きだったのだ。
大学時代、私は翻訳や言語に興味があって、海外の絵本を探して要約し、日本の出版社に売り込むような仕事がしたいと本気で思っていた。絵本は、小さな子どもたちだけじゃなく、大人にもひらかれている“物語の入り口”だと思っている。
そんな私の影響か、GENEも自然と絵本がそばにある子に育った。
ただし、私が思い描いていた「絵本生活」とはちょっと違っていた。 GENEは読み聞かせがあまり好きじゃない。絵本は自分でめくるもの。好きなページを何度も開いたり、しかけをいじって遊んだり、大好きな絵本ほどビリビリに破いてしまう。
それでも、彼が絵本を好きだということだけは、はっきり伝わってきた。だから、私はいつも言っていた──
「プレゼント、なにがいい?」 「なんでもいいから絵本。英語の絵本だったらもっと嬉しい」
そう答えると、おばあちゃんは大きな書店を何軒も巡って、彼のための1冊を探してくれた。きっと楽しかったんだと思う。絵本を手にとって選ぶ時間は、贈る側にとってもわくわくするものだから。
でも最近では、その“大きな本屋さん”が町から減ってしまった。 絵本の棚をゆっくり眺められるような場所は、もうなかなか見つからない。
それでもおばあちゃんはあきらめず、今ではネットで絵本を探してくれている。でも、「これだ!」と思って注文しても、届いたのがボロボロの古本だったりして、なかなか思うようにいかないことも増えた。
そんな中で、私が見つけたのが、 **WORLDLIBRARY Personal(ワールドライブラリーパーソナル)**という絵本の定期配送サービスだった。
毎月1冊、絵本のプロが選んだ世界の翻訳絵本を、自宅に届けてくれるというもの。 英語や文化に自然と触れられるうえに、しかけ絵本も届くこともあるらしい。
GENEには今となっては「お気に入り」や「いつもの絵本」へのこだわりがあるから、 私自身がこのサービスを利用することはないかもしれない。
けれど、「GENEに何かプレゼントしたい」と思ってくれているおばあちゃんには、 このサービスの存在がいい提案になるかもしれない──そう思った。
“毎月届く”という仕組みは、贈る側にも受け取る側にもワクワクを届けてくれる。 「選ぶ悩み」から少し解放されるのも、やさしい仕組みだなと思う。
あとは、おばあちゃんが判断してくれたらいい。無理におすすめする気はない。
でももし、私たちと同じように、 「どんな絵本を贈ればいいのかわからない」 「そもそも絵本を買いに行く場所が減ってしまった」 そんなことを感じている誰かがいたら……
このサービスのことを、そっとシェアしたくなった。
WORLDLIBRARY Personal とは?
- 対象年齢:1歳〜7歳
- 月額1,100円(税込)+送料200円
- 絵本のプロが選んだ「翻訳された世界の絵本」を月1冊お届け
- ストーリー絵本やしかけ絵本もバランスよく
- 詳しくはこちら

ことばが出ない子でも、好きな絵本は、ちゃんと伝えてくれる。 それが親にとってどれだけ嬉しいことか、私は身をもって知っている。